重要度が高まるファンマーケティング施策の手法とは #コンパス、モンスト、TikTokの事例が明らかになった「#MarketingLIVE Vol.3」を取材 – Sp!cemart News

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重要度が高まるファンマーケティング施策の手法とは #コンパス、モンスト、TikTokの事例が明らかになった「#MarketingLIVE Vol.3」を取材

D2C Rは2019年3月1日(金)、イベント「#MarketingLIVE Vol.3」を開催。アプリデベロッパー、アプリプロデューサーを対象に、「人気タイトルが取り組むファンマーケティングの裏側に迫る」をテーマにした講演が行われました。

 

登壇したのはコットン太郎氏、株式会社ミクシィの明畠利樹氏、ByteDance株式会社のマーク・マオ氏の3名で、人気タイトルのファンマーケティングを実際の事例を踏まえて紹介しました。

 

 

イベント×インフルエンサー×ファンで繋げるファンマーケティング

初めにコットン太郎氏が登壇。「頭をリラックスした状態で聞いてください」と呼びかけ、時には参加者に実際に問いかけるなど、明るい雰囲気でプレゼンがスタートしました。同氏は、『#コンパス』を中心に様々なゲーム番組/イベントでMC、メディアプロデューサーとして活躍。

 

▲『#コンパス戦闘摂理解析システム(以下、#コンパス)』担当 コットン太郎氏

 

冒頭では『#コンパス』の概要を説明。『#コンパス』とは、ポータル(陣地)を奪い合う、3vs3のリアルタイムオンライン対戦ゲームです。生放送やリアルイベントの開催など、ゲーム内外で盛り上がっているコンテンツとして、以前開催された「#コンパスフェス 2nd ANNIVERSARY」の様子を動画で紹介しました。

 

 

そもそも「ファンマーケティングの目指すべきところ」はどこにあるのでしょうか。コットン太郎氏いわく、目指すポイントについてふたつ語ってくれました。

 

① モチベーション高くユーザー同士も交流も活発により深く楽しんでもらう(長い間)
② 既存のモチベーション高く楽しんでいる姿を見てもらい興味を持ってもらうこと

 

ゲームはコミュニケーションツールであり、放送やイベントを通じてユーザー同士にコミュニケーションを発生させて、よりゲームを楽しんでもらう“ファン化”の流れが第一にあります。

 

そしてポイントになるのが、前掲の動画にもあるような“ファンが熱狂的に楽しんでいる姿”をまだ遊んでいない一般の人、あるいはインフルエンサーにも見せることです。盛り上がっている印象を持ってもらうことで、遊んでいない人が始めるきっかけができるのだという。

 

また、そうしたインフルエンサーを通じて、対象のファンにも認知され、リーチが広がっていくという仕組みができるとのこと。

 

▲イベントや放送が盛り上がる仕組みの図。イベントに来て盛り上げてくれやすいのは、イベントや生放送などのコンテンツ好きのユーザーであり、前述の盛り上がっているところを見せることに繋がります。もちろんゲーム性が好きな人も大会などで盛り上がっており、「楽しい」の感覚が人によって異なっていることを理解するのが大事とのこと。

 

来場者によって“盛り上がり方”が異なり、これらは地域によっても変化があるようです。たとえば、コットン太郎氏の感覚では、名古屋の方はイベントに来場してくれやすく、一方で北海道や九州ではコミュニティが発展しやすいとのこと。

また、生放送の施策では「#コンパスエンジョイ部」というファン番組を中心に据えたオンライン・オフラインコミュニケーションの活性化に努めています。番組を通じて、“同じゲームが好きな人がいる“という“横のつながり”を感じさせています。

 

コットン太郎氏は、「番組はネット上のオフ会に近い」と語ります。往々にして対戦ゲームは、勝敗やキャラクターの強さに興味が割かれますが、それだけではない、別の視点から見たゲームの楽しみを伝えていくことが、番組としての大きな役割になっているのだそうです。

 

そして、実際に各地で行われるオフラインイベントにはオンラインの番組と共通の出演者を用意し、「知っている人がいるから参加する」という動機付けをするとのこと。出演者もしくは参加者同士の交流を行い、楽しい経験をSNSで拡散・共有してもらうことに繋げます。コットン太郎氏は「イベント毎に発信していくことで、“点と点が線になる”盛り上げ方をしています」と語りました。

 

では、実際にファンマーケティングの施策を行うのは、どのような人物が相応しいのでしょうか。昨今、ファンマーケティングを検討している企業も増えているなか、悩ましいポイントのひとつです。

 

コットン太郎氏は「本来なら発信力があり、メンタルが強く、ちやほやされても調子に乗らない人という条件がありますが、なかなか難しいですよね」と前置きしつつも、「一番大事なのはビジネス目線でユーザーと距離感を保ちながら発信できる人」であると教えてくれました。メンタルなどは徐々に身に付けていくとして、ファンマーケティングの施策には前述した要素が必要になってくるという。

 

最後にコットン太郎氏は、「盛り上がるところを発信できるのは強みになると思います。ファン化をして、盛り上げて、見てもらうという流れを作ってみてはいかがでしょうか」と締めくくりました。

 

 

データを用いた休眠復帰と行動活性化施策の事例

▲株式会社ミクシィ マーケティング本部 マーケティング戦略室 デジタルマーケティンググループ マーケティング開発チーム 明畠利樹氏

 

次に株式会社ミクシィの明畠利樹氏が登壇し、『モンスターストライク(以下、モンスト)』におけるデータ×ファンマーケティングをテーマで講演。

 

明畠氏が所属するデジタルマーケティンググループでは、「プレイユーザーの増加をデジタル領域で支えてリードし続ける」というミッションを基に、WEB広告、Store内広告などの運用をインハウスで行っています。

 

 

一見してファンマーケティングは定性的な取り組みが思い浮かびますが、同社は「データやWEB広告を通じたファンマーケティング」を新たに定義し、取り組んでいます。

 

▲たとえば、5周年記念人気投票の広告では、休眠ユーザーの復帰を促したり、既存ユーザーの課金のきっかけを創出したりと、彼らの行動を活性化させる目的があります。

 

とはいえ、世界累計利用者数が4900万人にものぼるコンテンツで、手当たり次第に広告配信をしていては、当然コストの面で問題があります。そのため、効果的なファンマーケティングには媒体、手法、対象などを定めた緻密な広告施策が必要になります。

 

▲そこで、過去5年間のゲーム内ログデータと広告ログデータを活用するのだそうです。

 

▲キャンペーンを行い、クリックしてくれたユーザーに再びキャンペーンを行う、似たクリエイティブの参考にするといった、ログデータを使用したターゲティングが可能になります。

 

明畠氏は「データの活用によってマーケターに属人化しない、より良い広告施策ができる」と語りました。「ユーザーのゲーム内行動を活性化させることが目的」と再確認したうえで、実際のファンマーケティング事例を紹介しました。

 

▲ゲームを遊んでいるユーザーと、遊んでいないユーザーに分けて施策を行います。

 

休眠ユーザーに対しては、広告配信によって熱量を取り戻すことを目指します。

 

▲なお、広告リーチ後、3日以上ログイン(定着)した休眠ユーザーは4割という結果に。

 

さらに「熱量が下がると休眠してしまうのであれば、熱量が下がりそう、もしくは下がり始めている人に対して広告配信することで予防的な効果がある」と続けました。では、熱量が下がりそうな人をどうやって見分けるのでしょうか。

 

▲データと機械学習を活用します。

 

休眠復帰施策がどれだけ全体に貢献しているかについては、約3割が広告経由の復帰と、貢献度の大きさがうかがえる結果に。「やるとやらないでは大きな違いがあります」と明畠氏。次に、実際に遊んでいるファンに向けた行動活性化施策に触れました。

 

▲広告は、新しいキャラクターの訴求によるガチャの促進なども期待できます。

 

そして、『モンスト』の最大の特徴としてマルチプレイを挙げ、これを活性化させる要望があると説明。

 

▲休眠予測の機能を応用しています。

 

休眠予測だけでなく、ヘビーユーザーがライト寄りになりそうな時なども広告によって活性化できるとのこと。「しっかりとデータを持ち、エンジニアの知識を使えば、このような施策が効率よく打てます」と紹介を終えました。

 

次の講演につきましては、後編記事でお伝えしていきます。

 

【後編記事】

機械学習とビッグデータの活用…TikTok Adsの事例 座談会ではゲーム内施策とマーケティング施策の連動についても

 

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