ハイパーカジュアルゲーム市場とは 「Alibaba Cloud Gaming Event」第四弾を取材#3 – Sp!cemart News

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ハイパーカジュアルゲーム市場とは 「Alibaba Cloud Gaming Event」第四弾を取材#3

アリババクラウドは5月29日(水)、「Alibaba Cloud Gaming Event」第四弾を開催。「中国市場と日本市場スマホゲームの違いと現状」をテーマに、トークセッションが行われました。

 

本稿では、Smartly.io Sales Directorの坂本達夫氏が登壇したセッション「ハイパーカジュアルゲーム市場 日本とグローバル」の様子を紹介します。坂本氏がハイパーカジュアルゲーム専門のパブリッシング部署に所属していた経験から、そのノウハウを伝えました。

 

▲Smartly.io Sales Director 坂本達夫氏

 

 

ハイパーカジュアルゲーム市場とは

そもそも、ハイパーカジュアルゲームが登場したのは2018年頃で、徐々に各ストアのDL数ランキングにランクインし始めました。坂本氏はハイパーカジュアルゲームを「誰でも簡単に遊べて、シンプルだが中毒性の高いもの」と定義。

 

 

アメリカではハイパーカジュアルゲームがランキングを席巻。日本でもアメリカほどではないものの、上位をハイパーカジュアルゲームが占めています。一方中国では、ハイパーカジュアルゲームが上位にランクインせず、ソーシャルゲームや、カジュアルゲームがほとんどです。これには、国内でGoogleやFacebookなどのサービスを利用できないことが一因だと考えられます。

 

ハイパーカジュアルゲームは、集客の方法を広告にかなり依存しています。ストアのフィーチャーによる方法は、期間外ではインストールを見込めず、ランキングを維持することが困難になります。

 

坂本氏曰く、アメリカのTOP5に入るアプリでは、1日に数百万~数千万のプロモーション費をかけているのだとか。また、1インストールあたりの単価が50円~100円と、非常に安いことが特徴です。つまり、広告だけで1日に10万インストールを見込めるような形になります。

 

「ハイパーカジュアルゲームの市場を知らない人が単価50~100円と聞くと、ブースト広告のようなものを思い浮かべるかもしれません」と坂本氏。しかしハイパーカジュアルゲームにおいては、「誰でも簡単に遊べる」というユーザーを選ばない特性からCTR・IR(Install Rate)が高く、低いCPIでのユーザー獲得が可能になっています。

 

そして重要なのが、獲得したユーザーの生涯価値(LTV)をCPIよりも高くすることです。そのために必要なのが、“Stickiness(粘着性)”という概念。言い換えると“ユーザーがハマっている状態”です。3日で飽きるゲームをつくるのではなく2~3週間、頻繁に遊び続けてしまうゲームをつくることが求められます。

 

ハイパーカジュアルゲームは課金要素の少なさから、収益においても広告に依存しています。広告収益は広告を見た数×単価のため、開発者自身が収益を増やすための行動としては、広告を見られる回数を増やすことになります。しかし、広告表示の頻度が高すぎてもプレイ意欲を阻害してしまうため、ぎりぎりのラインで見極める必要があります。

 

 

ハイパーカジュアルゲーム市場の成長

ハイパーカジュアルゲーム市場が急成長した背景には、動画広告がメジャーになってきたことと、グローバル展開できるプラットフォームが拡大したことが関係しています。

 

 

動画広告、プレイアブル広告の市場が出てきたことで、ハイパーカジュアルゲームの面白さを容易に伝えられるようになったことが、ユーザーを安く獲得できる環境づくりに寄与しています。

 

 

また、広告マネタイズに関しても同じことが言えるのだそうです。ゲームの合間に見ることになる広告が高収益なものになっていったことで、獲得したユーザーのLTVが上がりました。

 

さらに、Google、Facebookなど、動画広告を全世界に配信できる環境が整ったことも、要因のひとつとのこと。

 

 

ハイパーカジュアルゲームの成功までのプロセス

 

「5~10分で語りつくせる内容ではありませんが」と前置きしつつ、坂本氏はハイパーカジュアルゲームをつくるときのアプローチ法について紹介しました。

 

① 企画

老若男女問わずゲームに興味を持ってもらうことが重要なハイパーカジュアルゲームでは、オリジナリティが有り過ぎたり、ビジュアルに癖があったりすると、打率が一気に落ちてしまいます。「100%の正解はないものの、当たりやすいものやトレンドはある」と坂本氏は説明。

 

例として、アクションは3Dでないとインストールが稼げなくなっていることや、ドット絵のゲームはコアなファン以外へのリーチが難しいことなどを挙げました。ゲーム性に関しても、スワイプのみの操作にするなど、シンプルな操作性がベストだそうです。

 

② プロモーションテスト

企画に際して、開発期間を長く設定するのではなく、そのゲームコンセプト、デザインで実際に安くユーザーを獲得できるのかをテストすることが重要です。結果によって開発をストップするのか、キーコンセプトをガラッと変えるのか、という選択をすることによって、プロジェクトに対して無駄な投資をしないことがポイント。

 

③ 改善とテストの繰り返し

ある程度良い結果が出たものだけ、テストを繰り返していきます。CPIの基準、3日後・7日後の継続率、広告を1日何回見られるか……などの定められた目標に達するところまで改善をしていきます。

 

④ アクセルを踏む

そして、正式にローンチされるときには1日当たりに数百万~数千万の金額で一気にアクセルを踏み、ランキング上位を狙っていきます。このフェーズでは、テスト段階である程度のLTV、利益率などがわかっているので、そこから逸脱していないかを確認しながら進めていきます。

 

また、ユーザーが同じ広告を見続けてしまうことになるので、新しいクリエイティブを追加したり、キャッシュフローを見極めたりすることが重要です。

 

以上がハイパーカジュアルゲームの一連の流れとして紹介され、セッションが締めくくられました。

 

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