今求められるデジタルとリアルの融合とは 「Digital Consumer Summit 2019」を取材 – Sp!cemart News

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今求められるデジタルとリアルの融合とは 「Digital Consumer Summit 2019」を取材

セガゲームスは「Digital Consumer Summit 2019」を2019年6月7日(金)に開催しました。事業担当者、マーケティング担当者を対象に、「顧客体験の向上」をテーマとしてセッションが行われました。本稿では、セッション「新時代における“デジタル×リアルシフト”とは」の様子を紹介。

 

【登壇者情報】

<モデレーター>

▲株式会社セガゲームス DMS事業部ソリューションビジネス1部副部長/クロシードデジタル株式会社取締役COO 伊藤真人氏

 

<スピーカー>

▲グリーライフスタイル株式会社 代表取締役社長 江川嗣政氏。美容メディア「ARINE」、製作運用事業「WOOZ」等、多数のメディア・SNSマーケティング事業を展開。

 

▲株式会社アイリッジ マーケティンググループ プロダクトマーケティングマネージャー 金箱彰夫氏。O2O(Online to Offline)をメインに事業を展開。オンライン・オフラインのあらゆるデータを統合・分析・活用できる「FANSHIP」を提供。

 

▲株式会社プレースホルダ 代表取締役CEO 後藤貴史氏。次世代型テーマパーク「リトルプラネット」を全国6ヶ所で運営。昔ながらのアナログな遊びとテクノロジーの融合を研究中。

 

▲株式会社ロイヤリティ マーケティング 上級執行役員事業・サービス統括グループグループ長 鈴木隆之氏。会員数9,000万人の共通ポイント「Ponta」サービスの運営及び、デジタル×リアルでの新規事業全体を統括。

 

 

消費者行動の変化

アドテクノロジーの水準が高まり情報過多になった昨今では、より顧客に寄り添った施策が必要です。そして、顧客との関係性構築の重要性が高まる中、未だに顧客に体験してもらうコンテンツ制作には型がなく、体験をつくるにはまず顧客を知らなければなりません。

 

 

はじめに伊藤氏は、「顧客体験を考えたうえで、どうデジタルとリアルを位置付けていくのかを考えることが求められています」とコメント。そこで、スピーカーに対して「消費者行動の変化」について尋ねました。

 

江川氏はマス媒体とインターネットメディアの接触時間が半々になっていることに触れ、「Netflix」や「dマガジン」などのネットメディアが主流になってきていることを挙げました。また、「YouTube」や「Instagram」などのコミュニティ系のメディアが力を付け、個人がメディア化していることも指摘。

 

 

そのため、個人が消費者とも情報発信者とも捉えられ、線引きが難しくなっているのだそうです。

 

金箱氏は、「顧客を知る」という面に着目。デジタル領域ではテクノロジーが発達しているものの、リアル領域ではまだまだ「顧客を知る」方法が足りていない現状にあると説明しました。

 

 

後藤氏は、自身のテーマパークにおいて自然来場と目的来場が半々であることから、目的来場の顧客を増やすための方法を分析。心理状況として、「どこに行こうか」と思ったとき、いかに自身の施設を想起させるのか(マインドシェア)が重要とのことでした。

 

 

「『便利・おトク・楽しい』の3要素を創業期から掲げている」と鈴木氏。ポイント事業では、「おトク」がメインだと思われがちですが、そこから「楽しい」体験に繋げていくことが重要だと説明。他のポイント事業との差別化要素として、キャラクター「ポンタ」のコラボ・グッズ展開を紹介。

 

▲球団との協賛、キャラクターソング、デパ地下での商品化……といった多数の展開をしています。こうした施策により、実際にPonta会員の売り上げ比率が上昇しているのだとか。

 

後藤氏も「ぬいぐるみの存在は大きい」とコメント。マインドシェアの観点において、人の目につくところにグッズがあることで、思い出してもらいやすくなります。

 

 

デジタルとリアルの位置づけ

スマートフォンの普及など、デバイスが多様化してきたことで、よりインターネットに繋がるメディアが増えています。そこでマス媒体においても、ユーザーとのコミュニケーションがデジタルを通した方法に変わってきていると江川氏は語りました。

 

江川氏がデジタル領域を担当するマスメディアの番組では、放送にファンのインフルエンサーを招待し、個人がメディア化していることを利用し、放送間にSNSで拡散してもらうといった、リアルとデジタルの融合施策を行っているそうです。

 

 

インフルエンサー(個人)は消費者であり、メディアでもあります。江川氏は、リアルイベントのリッチな体験を通して、より活発にメディアで発信するようになっていくため、リアルのコンテンツ価値が重要になってくるとまとめました。

 

 

デジタル×リアルに関して「もっとシンプルに考えています」と語ったのは金箱氏。デジタルを購入する場所、リアルを体験する場所と再定義することで、今まで頻発していた、ECサイトと実在店舗が売り上げを奪い合う問題を解消。視認性の良さなど、リアルにある長所を生かしながら、デジタルとの融合を果たしています。

 

 

後藤氏はリアル体験をデジタルに持ち帰る施策を説明。パークにショップを併設し、その日の体験をグッズの購入を通して持ち帰り、思い出すことで再訪に繋げます。リアルとデジタルを連続したものと捉え、心理的に余韻を残すことで購入に結びつけるのだそうです。

 

 

オフラインの購買まで含めたデータをどう収集し、どうデジタルと繋げて活用するかが重要だと語るのは鈴木氏。Pontaはオフラインデータの収集面で、提携社によっては来店するほとんどの方がPontaカードを提示しているという強みがあります。提示率の高い提携店舗とリアルの接点でデータを押さえられているため、蓄積されているデータがかなり多いことに。さらに、昨今デジタルに活用する取り組みが低コスト化、効率化し、プラットフォームが増えてきていることから、リアルデータの価値は高まっていると続けました。

 

 

伊藤氏はデジタルとリアルで物理的に同じことをやるのではなく、心理的に連続性を保ちながら体験をつくる、という考え方が重要だと説明。まとめとして、デジタルとリアルの位置づけを「心理的連続性のある顧客体験のデザイン」としました。

 

以上、顧客体験の向上において、リアル領域の重要性を認識できるセッションとなりました。

 

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