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【#MarketingLIVE】スマートフォンゲームの主要パブリッシャーが語る「最新アプリマーケティング」

 

主要パブリッシャーにおける最新アプリマーケティングの「生の声」が聞ける「#MarketingLIVE」が、2017年9月25日に株式会社D2C Rで行われました。

 

今回、登壇したのは、『アヴァロンの騎士』や『戦乱のサムライキングダム』などを運営する株式会社マイネットのディレクター・網浩樹氏、ゲーム以外にも様々な事業に進出している株式会社ディー・エヌ・エーの宣伝部デジタルマーケティンググループマネージャー・川口隆史氏、人気アニメを扱った事業を展開し、スマートフォンゲームの開発も行っている株式会社アニプレックスの事業推進グループ兼グループ本部長・三鍋尚貴氏の3名。それぞれ以下のテーマで講演を行いました。

 

1. ゲームアプリ向け!Push通知によるリテンション向上施策について
株式会社マイネット ディレクター:網浩樹氏

2. DeNAのアプリマーケティングの考え方
株式会社ディー・エヌ・エー 宣伝部デジタルマーケティンググループ グループマネージャー:川口隆史氏

3. アニプレックスにおけるアプリプロモーションについて
株式会社アニプレックス 事業推進グループ兼グループ本部長:三鍋尚貴氏

 

本稿では、3名の登壇者が行った講演について、その内容をレポートしています。

 


ゲームアプリ向け!Push通知によるリテンション向上施策について


 

最初に登壇したのは、株式会社マイネットのディレクター網浩樹氏。網氏は海外で人気のある同社タイトル『神界のヴァルキリー』を例にとり、Push通知のリテンション向上施策について講演しました。

 

 

▲株式会社マイネットのディレクター網浩樹氏。

 

▲『神界のヴァルキリー』は、海外での売り上げが7割を占めており、特にパプアニューギニアで人気があるとのこと。

 

 

網氏は、Push通知をただ漠然と行うのではなく目標を持ったやり方にしたところ、大きな効果が出たと発言。その事例を交えながら、「PUSH通知」の効果的な運用方法について話しました。

 

 

▲網氏が最初に示した、売り上げを最大化にするためのステップ。「PUSH通知」は、ステップの最初に当たるDAUの向上に大きく関わります。

 

 

最初に網氏は、インストールしているだけのいわゆる「休眠ユーザー」の割合について言及。調査によると、インストールしたユーザー全員のうち、92%ものユーザーが休眠状態にいたそうです。網氏は、他のパブリッシャーでも9割前後は休眠ユーザーだという声を多く聞くらしく、おそらくアクティブと休眠で1:9の割合が平均に近い数値ではないかと話していました。

 

 

▲なお網氏は、「インストールしているが、一週間以上起動していないユーザー」を「休眠ユーザー」と定義づけていました。

 

 

続いて網氏は、DAUを向上させる方法として「①休眠復帰」と「②リテンション向上」を挙げ、最初に「①休眠復帰」について解説。そこで「Push通知」による休眠ユーザーの復帰率を最大にするための方法として、2つの方法を紹介しました。

 

その1つ目が、通常のPush通知より画面幅が大きく、より情報量が多くなる「リッチPush通知」です。

 

 

▲今までの文字主体のPush通知と比較し、サムネイルレベルだったイラストも、全体像までしっかりとユーザーに提示することができます。

 

 

網氏いわく、人気キャラクターの新イラストなどを、Push通知でしっかりとユーザーに見せることができるため、文字だけのPush通知より遥かに大きな訴求力を持っているとのこと。特にAndroidだと効果が高いそうです。

 

そして2つ目に挙げたのが、「Push通知」の時間です。網氏が調べたところ、通常10%程度だったPush通知の開封率が、19時以降だと10%以上も上昇しました。

 

 

▲網氏は失敗談として、日本時間の19時に行ったPush通知が現地では午前5時だった事例を紹介。海外での開封率が1割にも満たなかったため、海外にPush通知を配信する場合、日本との時差を忘れてはいけないと戒めていました。

 

 

なお、Push通知を行う網氏がオススメする時間は、19時7分とのこと。19時ちょうどだと、他社のPush通知に埋もれてしまう可能性があるため、少しずらして通知を行うのがポイントだそうです。

 

 

 

 

以上の施策を行ったところ、通常400名程度だった復帰ユーザーがおよそ2倍に増加。また、その復帰ユーザーをさらに深掘りしたところ、通常よりARPPUの高いユーザーが多かったという結果になりました。

 

 

▲さらに、復帰ユーザーは課金率が高いことも判明したそうです。

 

 

このことから、Push通知で復帰ユーザーを増やすことは、質の高いユーザーを確保する上でも重要なことだということがわかります。そのため、Push通知の効果を上げる「リッチPush通知」は、そのままARPPUの上昇にも繋がる施策だと言えるでしょう。

 

次に網氏は、「②リテンション向上」に関する方法を解説しました。

 

網氏は、休眠ユーザー全員に同じ内容のPush通知を送るのはナンセンスではないかと指摘。性質の異なるユーザーに対してそれぞれが求める内容の通知を送ることで、リテンション率を高めることができると話しました。

 

 

 

 

▲例えば、編成コストや改造といったシステム面の理解度が低そうなユーザーに対して、そのわからない点に関するPush通知をピンポイントで送ることでゲームをより楽しんでもらえるようになり、継続率も上昇します。

 

▲網氏が上記の方法を行ったところ、実際にリテンションレートが3.2%向上したそうです。

 

▲結果的に、「①休眠復帰」と「②リテンション向上」の2つの施策を行った結果、DAUが最大119%に上昇しました。

 

Push通知を活用し、DAUの向上に成功した後に必要となってくるのが「課金化」です。

 

 

 

網氏は、無料で有料アイテムなどを配布しつつ、それだけではガチャで目玉商品がギリギリ排出されないように設定。一旦課金したユーザーは課金を続けるという傾向があるため、数百円程度の少額課金を行わせることから始めたそうです。

 

▲これまでの施策で課金者が196%とおよそ倍に増加。売上にも大きく貢献しました。

 


DeNAのアプリマーケティングの考え方


 

続いて登壇したのは、株式会社ディー・エヌ・エーで宣伝部デジタルマーケティンググループのグループマネージャーを務める川口隆史氏。

 

 

川口氏は「DeNAのアプリマーケティングの考え方」という表題で、広告の正しい評価方法について8つの事例を挙げて解説しました。

 

▲株式会社ディー・エヌ・エー、宣伝部デジタルマーケティンググループグループマネージャー川口隆史氏。

 

なお、本題に入る前に前提として、川口氏はDeNAの行っている各種サービス内容を紹介。さらに、プロモーションを行う上での基本的な考え方を提示しました。

 

▲DeNAの各種サービス。今回の講演は『逆転オセロニア』などに関わるゲーム事業での内容となります。

 

▲プロモーションでは、まずユーザの属性ごとにKPIを設定します。その後、プロモーションの対象を決定し、対象ごとに様々な手法で施策を実施。その後、施策結果の評価を行うという流れです。

 

 

上の画像は、DeNAにおけるPDCAサイクルの回し方です。今回の講演では、この中の「③施策結果の評価」について、より深掘りした内容となりました。

 

評価する内容は「ユーザの数」と「ユーザのLTV」の2種類あります。川口氏は最初に「ユーザの数」について5項目、続いて「ユーザのLTV」について3項目、合わせて8項目の評価方法について解説しました。

 

最初に川口氏が挙げたのは「アトリビューション期間」です。「アトリビューション期間」は、広告クリックから成果カウントまでの許容期間のことです。これが長すぎると過大評価しやすくなり、逆に短すぎると過小評価に繋がる危険があります。

 

▲川口氏はフラットな評価ができるよう、評価メニューを共通化し、それぞれのプロダクトに応じた妥当な期間設定が必要だと話しました。

 

2つ目に川口氏が話したのは「ビュースルーコンバージョン」について。「ビュースルーコンバージョン」とは、広告をクリックしなかったが、その広告を見たことで興味を持ち、後にインストールするなどの成果になったユーザのことです。

 

▲ユーザの記憶に残りやすい動画メニューや導線が弱いメニュー、ユーザがすぐに遷移しづらいプリロール広告などは、「ビュースルーコンバーション」が多い可能性があるとのこと。

 

続いて3つ目に川口氏が挙げたのが「新規目的配信での復帰獲得」。新規ユーザ獲得のための広告でも、新規以外を除外する「デリタゲ」の精度が低い場合、インストール済みユーザーにも配信されることがあります。

 

そして、そのインストール済みユーザーが休眠ユーザだった場合、広告をきっかけに復帰することがあります。それらはターゲット外ということで成果カウントされないこともあるのですが、川口氏は復帰ユーザの獲得ということで成果に入れていると語りました。

 

▲広告メニューに応じて、デリタゲの精度が変わります。デリタゲ機能がないメニューだと復帰ユーザの数も多くなり、新規獲得という当初の目的からは外れますが十分な成果を得られている場合もあります。

 

4つ目に提示したのが、「再インストール復帰と起動復帰」です。復帰ユーザには、端末内にアプリがない場合の「再インストール復帰」と、端末内にアプリがある場合の「起動復帰」の2種類あります。

 

 

川口氏は、媒体管理画面によっては、リエンゲージメント成果に「再インストール復帰」が含まれていない場合があると警告。それぞれ個別に定義を確認するべきだと話しました。

 

 

DeNAでは、画像内の「③再インストール復帰」と「④起動復帰」の両方を復帰ユーザとして扱っていますが、ある媒体管理画面では「③再インストール復帰」を「新規インストール」と扱うものもあり、そこで数字に齟齬が生まれてしまいます。川口氏は、この齟齬をなくすことが重要だと話しました。

 

そして「ユーザの数」についての最後の項目になる5つ目に川口氏が話したのは、「自然復帰ユーザ」を考慮することです。

 

「自然復帰ユーザ」とは、施策とは関係なく何もしなくても復帰したであろうユーザのことを指し、計測されている復帰ユーザのうち何割かはこの自然復帰ユーザにあたると川口氏は考えています。

 

そのため、川口氏は行った施策結果が過大評価にならないよう、計測されている復帰率に自然復帰ユーザーの係数を掛けることで評価数を計算しているそうです。なお、離脱日数が長いユーザほど自然復帰する確率も下がるので、自然復帰ユーザの係数は離脱日数に応じて変えているとのことです。

 

「ユーザの数」についての話が終わり、ここからは「ユーザのLTV」を評価する方法についての話になります。

 

6つ目に挙げたのは、成果の種類によってLTV(顧客生涯価値)が異なるという点です。川口氏は「新規インストール」「再インストール復帰」「起動復帰」の3つの場合、最もLTVが高くなるのは「新規インストール」であるため、それぞれを分けて確認するべきだと話しました。

 

▲「起動復帰」と「再インストール復帰」でも、3倍近くLTVに差が出ることもあるそうです。

 

そして7つ目は「クリエイティブによるLTVの差」です。同じような施策でも、それを訴求するバナーのデザインといったクリエイティブの違いが、LTVにも影響を及ぼすと川口氏は話します。

 

▲画面内左の「S+確定ガチャ全員1回無料」という文字のあるクリエイティブの方が、キャラクター紹介だけのクリエイティブより、LTVやRRが高くなる傾向にあります。

 

 

また、通常はバナーをタップするとApp StoreやGoogle Play ストアといったプラットフォームに移行するのですが、その間にゲーム内容について解説している良質なLPを挟むことでLTVが上昇するケースもあるそうです。

 

最後の8つ目に川口氏が提示したのは、「LTVのブレを防ぐ」方法です。

 

広告メニューやターゲティング、クリエイティブとそれぞれ細かく分けていくと、獲得ユーザのサンプル数が少なくなるケースがあります。その場合、例えば偶然1人高額を投じたユーザがいたことによってLTVが極端に大きくなり、逆に偶然課金に到達しているユーザがいない場合は小さくなるなど、評価を見誤る可能性が出てきます。

 

それを防ぐために川口氏が提示したのは、「LTVを要素分解し、サンプル数に応じてみる指標を分ける」方法です。

 

その方法について下の画像にまとめていますが、まずLTVを「RR」と「課金率」「ARPPU」の3つの指標に分解し、獲得ユーザのサンプル数に応じて参照にする指標を絞るというやり方です。

 

 

▲サンプル数が多い場合は、「RR」「課金率」「ARPPU」の3つの指標全てを参照し、サンプル数が少ない場合は参照指標を「RR」までにとどめることでブレを防ぎます。

 

川口氏はクリエイティブの比較や施策の良し悪しの判断などに、この方法を使っていると話し、セッションを終えました。

 


アニプレックスにおけるアプリプロモーションについて


 

本講演の最後に登壇したのが、株式会社アニプレックスの事業推進グループ兼グループ本部長の三鍋尚貴氏です。

 

 

▲(壇上)株式会社アニプレックス事業推進グループ兼グループ本部長、三鍋尚貴氏。

 

三鍋氏はアニプレックスからリリースされているアプリの事例をもとに、アプリゲームのプロモーション方法について講演しました。

 

まず三鍋氏が取り上げたのは、女性向けリズムゲームの『バンドやろうぜ!』で行った「音楽と連動したプロモーション」です。

 

『バンドやろうぜ!』では、一部の登場キャラクターを演じる声優がリアルライブを行うなどの2.5次元的なプロモーションやウェブ企画といった施策を同時に展開しています。

 

▲『バンドやろうぜ!』のweb企画。「歌ってみた」や「演奏してみた」用の音源を無料配布し、それを使った作品をハッシュタグで投稿した応募者から優秀な作品を選定。優秀者は、実際のライブイベントに招待するなどの特典があり、4万件以上の応募があったとのことです。

 

 

続いて三鍋氏が話題にしたのは、『きららファンタジア』を例にした「事前登録の獲得方法」です。

 

『きららファンタジア』は、芳文社が発行する「まんがタイムきらら」から人気作品が登場するRPG系のスマートフォンゲーム。「ひだまりスケッチ」や「きんいろモザイク」といった人気作品からキャラクターたちが一堂に介するアプリゲームで、2017年10月時点で事前登録50万人を突破。アニプレックスとしても、非常に力を入れているタイトルだそうです。

 

その『きららファンタジア』で行っている事前登録の施策が、登場キャラクターを使った「クレーンゲーム」です。クレーンゲームではゲームの登場キャラクターを捕まえることができ、うまく掴むことができれば、そのキャラクターが登場する原作漫画のコマが少しずつ埋まっていく仕組みになっています。

 

 

▲漫画のコマをコンプリートすると、報酬として限定の待受画像が手に入ります。

 

 

三鍋氏によると、クレーンゲームの難易度は若干高めに設定しているとのこと。なお1日3コイン分は無料でプレイできますが、それ以上遊ぶにはTwitterやFacebookなどのSNSを使いシェアすることでコインを補充することができます。

 

事前登録ではただ登録するだけというタイトルも多い中、ミニゲームや漫画といったユーザーが楽しめるものと原作ファンにリーチするインセンティブを用意し、さらにリツイートキャンペーンも絡めてユーザー自身にもゲームを告知してもらう。この二重三重の施策が、事前登録人数50万人に繋がったとも言えるでしょう。

 

最後に三鍋氏が紹介したのは、今年の8月にリリースされた新作タイトル『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ列伝』における「アニメと連動したプロモーション」です。

 

『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ列伝』では、ゲーム内キャラクターを獲得するたびにシャフト制作による専用のアニメーションが流れる仕様となっており、原作アニメファンに喜んでもらうことを第一に制作した、アニプレックスらしい仕様になっています。ただ三鍋氏いわく、1キャラずつ丁寧にアニメーションを作るのは非常に大変らしく「これからも頑張っていきます」と、自身を鼓舞するように語っていました。

 

その後、『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ列伝』において、リリース前、リリース直前、リリース後にオフラインで行った施策を発表しました。

 

 

▲リリース前からリリース直後までのオフライン施策。アニメ一挙放送や描きおろし原画公開など、原作アニメファンを取り込むための施策を数多く行っています。

 

 

続いて三鍋氏は、オフラインで行った施策を紹介。「アニメジャパン2017」では劇場版アニメの放映やステージでの声優・蒼樹うめ先生によるニコニコ生放送、日本最大級のキャラクター&ホビーイベントである「C3AFA TOKYO 2017」にも出展するなど、原作の既存ファンにリーチする施策を行ってきました。

 

 

 

 

最後に三鍋氏は、これからアニプレックスで一緒にゲーム事業を盛り上げてくれる人を募集しつつ、講演を終わりました。

 

 

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