新規ゲームタイトルの日本でのプロモーションとは 「Alibaba Cloud Gaming Event」第四弾を取材#2
アリババクラウドは5月29日(水)、「Alibaba Cloud Gaming Event」第四弾を開催。「中国市場と日本市場スマホゲームの違いと現状」をテーマに、トークセッションが行われました。
本稿では、黒川塾主宰の黒川文雄氏、株式会社SQOOL代表取締役の加藤健治氏が登壇したセッション「新規ゲームタイトルの日本でのプロモーションを読み解く」の様子を紹介します。
セッション冒頭では、代表的なプロモーションの種類からおさらい。
▲上の項目ほどかかるコストは高くなります。
加藤氏は「最近は広告出稿の種類が増えました」とコメント。時間とコストが相当にかかるTVCMなどよりも手が出しやすい、アドネットワークやインターネット、メディアを使った出稿について触れました。また、中国ではプレスリリースの配信プラットフォームが少なく、日本と異なる点を挙げました。
日中共通してゲーム内イベント、事前登録は費用が安く、よく使われています。ただ、一部プラットフォームの規約変更により、日本においての事前登録の規模は縮小傾向。
▲プロモーションにおける時系列
開発中の段階では事前予約などの施策を打てるほか、全体を通してプレスリリースやSNSが有効です。リリース時は一番のPRチャンスであるため、規模によってはイベントを開くことも可能です。
オンラインが主流になった昨今について、黒川氏は「プレスリリースの概念が変わってきました」とコメント。プレスリリースを出すよりも、インフルエンサーやバイラルマーケティングなど、「SNSの拡散」を利用した方が効果を見込めるのではないか、と見解を示しました。
現在日本で主流のSNSは以下の4つ。
・LINE
今回のセッションでは、TwitterとLINEにフィーチャー。加藤氏曰く、Twitterは利用者の多さからマーケティングに相性が良く、LINEはクローズドな特性からファンの囲い込みに向いているのだそうです。またSNSマーケティングの際には、各SNSの空気感を理解している専任の担当を用意することが重要だと続けました。
①Twitterマーケティングの例
左上:タイトルのアカウント(@TASOKARE_HOTEL)
左下:会社のアカウント(@SeecInc)
例に挙げたのは、脱出ゲームを中心に提供している株式会社SEECで、収益性の面からシリーズ化やキャラクターの作りこみに力を入れています。このアカウントでは続編をつくるという展開の仕方に基づいた運用をしており、フォロワー数が67,000人を超えています。
目安としては、10,000フォロワーを超えた段階で大きな影響力を持つようになり、DL数に結びつくのだとか。また、各タイトルのアカウントのほかに会社自体のアカウントもあり、全体を巻き込んで運用されています。ツイートに際して、関係のないツイートの排除や、ツイート・リツイート内容の基準を設けることが重要です。
②LINE@によるマーケティング例
※LINE@とは……無料で始められる事業者向けサービス。メッセージの一斉配信や、通常のLINE同様の1:1トーク、タイムライン機能などが利用可能。
LINE@の事例で挙げたのは、同じく脱出ゲームを中心に提供している会社。アカウントへの誘導をゲームクリア時の画面などから行っているのが特徴で、特定のユーザーにだけ配信することで稼働率が高くなります。フォロワーが20,000人存在することで、LINE@からの通知でDAUが1.5倍に伸びています。ファンの囲い込みという面で効果的な方法と言えます。
③インフルエンサーマーケティング
「SNSマーケティングとは少し逸れますが」と前置きしつつ、インフルエンサーを起用したマーケティングについても紹介。インフルエンサープラットフォームを利用し、タイトルに合ったインフルエンサーを起用することを推奨しました。
黒川氏はお金が発生するケースのため、予算面でどうトレードオフするかがポイントだと補足。
いずれの方法も目的を持って計画的に行う必要があるため、タイトルに合う運用方法を見定めることが重要、と加藤氏はセッションをまとめました。
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