『メギド72』のコミュニティマーケティングにおける考え方【#MarketingLIVE Vol.4】 – Sp!cemart News

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『メギド72』のコミュニティマーケティングにおける考え方【#MarketingLIVE Vol.4】

D2CRは、2019年7月24日(水)、セミナーイベント「#MarketingLIVE Vol.4」をReproと共に開催。アプリデベロッパー、アプリプロデューサー、アプリマーケターを対象に、「激戦のアプリゲーム市場を勝ち抜くには?『リリース期』&『成熟期』のフェーズ別施策のキモ」をテーマに講演が行われました。

 

登壇者はサムザップの原田隆太氏、DeNAの鶴川将志氏、NextNinjaの山岸聖幸氏の3名。本稿では、DeNAの鶴川将志氏の講演模様をお届けします。

 

 

『メギド72』のコミュニティマーケティングにおける考え方

続いて、ディー・エヌ・エーの鶴川将志氏が登壇。『メギド72』において実施しているコミュニティマーケティングの手法をタイトルと掛けた「7+2」の要素に分けて紹介しました。

 

※『メギド72』……主人公の少年ソロモンが、伝説の指輪の力で従えたメギド(悪魔)と共に世界の危機に立ち向かう、絶望を希望に変えるRPG。公式サイト(https://megido72.com/

 

▲株式会社ディー・エヌ・エー ゲーム・エンターテインメント事業本部 ゲーム事業部Publish統括部 マーケティング部 コミュニティマーケティンググループ マネージャー 鶴川将志氏

 

まず、『メギド72』の歩みを年表で紹介。

 

【メギド72の歴史】

2014年7月 DeNA&メディア・ビジョン社で企画スタート

2016年8月 オープンベータテスト実施

2017年12月7日 リリース

2018年1月 不具合多発期間…

2018年4月26日 大幅改善

2018年7月2日 「メギドの日」を実施

2018年10月 初の公式リアルイベント「メギド72 banquet ~ソロモン王たちの祝宴~」実施

2018年12月 大型マーケ施策を展開(TVCMなど)

2019年6月 公式リアルイベント「メギド72 garden ~ソロモン王たちの休日~」、コラボカフェ「メギド72 garden cafe 〜ソロモン王たちの休息〜」実施

 

リリース直後の不具合多発期間など、苦戦した時期がありつつも、2018年4月末以降にゲーム内KPIが改善。7月2日の施策「メギドの日」実施などでファンを獲得していきました。

 

「メギドの日」……「7」と「2」にちなんで「7月2日」を「メギドの日」とし、ゲーム内で各種イベントやキャンペーンなどを実施。ファンアート展など、ゲーム外の盛り上げ要素も。

 

そして、オフラインでのコミュニティマーケティング施策として、400人規模のリアルイベント「メギド72 banquet ~ソロモン王たちの祝宴~」を開催。熱量の高いファンが多く参加したそうです。

 

再び開催されたリアルイベント「メギド72 garden ~ソロモン王たちの休日~」でも予想以上の参加人数が想定されたため、並行してコラボカフェ「メギド72 garden cafe 〜ソロモン王たちの休息〜」の準備を進めていたとのこと。

 

これまでの歴史を振り返り「お客様に支えられて今がある」と鶴川氏。いわゆる垂直立ち上げではなかった『メギド72』は、ファンの支えによって徐々に盛り上がっていきました。

 

鶴川氏は、『メギド72』のコミュニティを「『メギド72』のファンが気軽に集まり語り合うオーガニックのサード・プレイス」と称しました。『メギド72』のコミュニティはゲーム外で自然発生し、お客様主体で活動が行われているコミュニティです。運営側はお客様全員に平等に話題を提供する事でそのコミュニティと関わりを持っています。

 

本題に入り、『メギド72』のコミュニティマーケティングを「7+2」の要素で紹介。

 

 

デモグラフィックではなくサイコグラフィックの観点で理解することで、コミュニティをペルソナ化していくことが可能になります。そのための手法は以下の3ポイント。

 

  • 能動的・受動的、オンライン・オフラインの両軸からお客様の“声”を集める
  • KJ法を駆使し、情報を同じ系統でグループ化
  • ラダリング法で本質的な価値を明らかにしていく

 

以上をチーム全体でシェアし、コミュニティのペルソナを形成しているそうです。

 

 

『メギド72』では、マクロの視点、ミクロの視点、そしてコミュニティの流れを読みながら、お客様全員に平等に話題を提供することを意識しています。

 

 

各セクションがそれぞれお客様の声をくみ上げることで、他セクションには見えていない部分を多角的に認識することが出来ます。CX、UXの設計を各セクションが意見を出し合い設計することで、その後のUI制作がブレにくくなるという利点があります。

 

 

 

コミュニティマーケティングを単体でやるのではなく、全体で考えることが重要。他施策のタイミングに合わせて、コミュニティを後押しする施策を実施することでCXの取り組みとして、多角的に『メギド72』を広げていくことが出来ます。

 

 

「どれだけの事業貢献があるかはわからない」と前置きしつつも、「細かいこだわりに気づいたときの特別な体験を余韻として渡したい」と鶴川氏。今回の講演でもタイトルと掛けた「7+2」の要素に分けてプレゼンしていることから、その精神が感じられます。

 

 

運営側の振り返りを適切な場所とタイミングで発信しています。鶴川氏は運営側の透明性を担保することがリレーション構築につながる、と語りました。

 

まとめると、コミュニティマーケティングのPDCAとして、まず①・②のプロファイリング、それから③-⑥のプランニング、そして⑦のリフレクションという流れが重要になります。

 

 

続いて、鶴川氏が考えるコミュニティマーケティングの定義を紹介。サービスの品質とプレイヤーから運営への信頼度を高めたうえで、ゲームだけでは得られない思い出をいかにつくるかが重要。

 

コミュニティマーケティングは、運営側だけでは気づけないアイデアやインサイトの発見、プレイヤー側からでのみ伝播できる情報の発信や、プレイヤー同士とのつながりによる継続・利用判断などが後押しできます。

 

 

今後の展望は3点。プレイヤーの事をより正確に理解して、より良い体験を提供していくために、定量的なデータの収集と可視化にもチャレンジしていくとのこと。

 

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